~ 「フル・モンティ」以来の話題をさらって、イギリスに社会現象を巻き起こした最新ハートフル・ムービー「キンキーブーツ」がついに日本上陸!今年のサンダンス映画祭でもオープニングナイトを飾り、涙と、笑いと、感動で、観客たちから最大級の熱狂をもって迎えられた本作が、この夏、日本にセンセーションを巻き起こします!! ~
まだ夏の暑い盛り、ジェームズ・ブラウンについてググっていた時に↑の文章に行き当たり、それ以来いつ山形で上映されるのかと首を長~~~くして待っていた「キンキー・ブーツ」。やっと山形上陸。ウレシイィィ(↑^↑)。さっそく見てきました。
映画の舞台はイギリス。今まで「一生モノ」が自慢の紳士靴を作ってきた田舎町(ノーサンプトン)の三代続いた老舗の靴工場が倒産寸前となり、ヘタレな跡継ぎ(四代目)チャーリーが再起を賭けてニッチ市場であるキンキー・ブーツの生産に取り組むことになるのですが、ブーツのデザインを依頼したのが、ふとしたきっかけで知り合ったロンドンはSOHOに君臨するドラッグ・クィーンのローラ(♂)だったことから・・・というお話。なんと実話だそうです。
靴工場が舞台なだけに、この映画では「靴」がとても象徴的に扱われていました。
偉大な父親の影濃い靴工場で、「自分にできることは何もない」と感じるチャーリーと、ドレスやハイヒールを脱いでしまうと自信の無い男に変身してしまうローラ。二人が感じている「居心地の悪い現状」の象徴として描かれているのが、心は女性でも身体は筋骨逞しい男性であるローラが無理やり履いている女物の靴。そして、チャーリーとローラが、それぞれ偉大だった父や厳しかった父の呪縛から解き放たれ、発見し確認していくアイデンティティの象徴として描かれているのが、二人が協力して作るキンキー・ブーツ。
それにしても、赤のエナメルにスーパーヒールのセクシー・ブーツは象徴としては迫力満点。
ローラ曰く、「ブーツは長さ75cm、2本の長い筒状のセックスよ!そして赤こそがセックス!!赤い危険なセックスを作るのよ!!!」ですからね(^_^;)
で、この手の実話が映画化されるということは、これはもう、お決まりの波乱を乗り越えて結末はハッピーと決まってるわけです。案の定、ストーリーは「ありがち」な方向へ方向へと進んでいくのです。ローラと靴工場で一番マッチョな男の腕相撲勝負とその勝敗とか、都会志向の強いチャーリーの婚約者の浮気とか、チャーリーと古株職人の対立とか・・・ね(笑)
でも、それが全然気にならないの。ありがちというよりは「そうであって欲しい」と願う方向に話が進む感じで、なんか、笑い泣きだか泣き笑いだか分からないんだけど、終始ウルウルしながらあっという間に1時間47分が終わってしまった。
ローラ役のキウェテル・イジョホーは厚いくちびるとくりくりした目が印象的でした。この人、インサイド・マンに出てましたね~。ラブ・アクチュアリーにもちょこっとだけ。この映画の中では何曲か歌って踊るのですが、これまたすごい達者。ゴージャスでそれでいてチープで、キッチュな魅力に溢れてました。その他ジェームス・ブラウン、デヴィッド・ボウイなど懐かしの大御所も良かったわ♪サントラ盤欲しいなぁ~(^_^)